まず、小型軽量な KISS 製 Sidemount mCCR の Sidekick.
オリフィス、ニードルによる酸素定量添加方式をとるmCCR構造。
モノ・カウンターラング構成でリブリーザーユニットはおそらくサイドマウント・リブリーザーで最小構成
PO2監視モニターのみで制御はないため、他の電子制御型のと比べトラブルは少ない。深度制限は定量噴射のため制限あり。(約80mぐらいまで?)
酸素タンク、希釈ガスタンクは別体でユニットの接続が必要。イラストでは酸素タンクのみユニットにマウントさせる方式で
希釈ガスは兼ベイルアウトとし、逆側にサイドマウントすることによって左右の重量バランスを取る形態(Config)を取っている。
バハマケーブを探索しているブライアンカイコックも使用している。
次は私も使用している SF2 Sidemount eCCR
バックマウント・タイプも存在するSF2 のサイドマウントバージョン。
こちらもKISS Sidekickと同様にものカウンターラングを採用。Sidekickほどではないが小型な部類。
オリフィスによる定量酸素追加のSidekickと違い、酸素センサー3つによる監視により、ソレノイドバルブ(電磁開閉)により酸素添加を制御する。エレクトロニクスは、Shearwater(Petrel2以降)
ボディをカーボンファイバーを使用し軽量化もしている。(陸上運搬は楽だが逆に水中では軽すぎてトリムバランスに苦労する。)
酸素タンク、希釈ガスタンクは別体であるので接続が必要で、軽量なユニットを片側につけることによって左右の重量バランスの
考察が重要。かつ接続方法も検討しなければならない。この点が使用上の大きなテーマになる。
上のイラストでは、Afghan 流ではあるが、酸素タンクを軽量のアルミとして逆の左側に、かつ希釈ガスはベイルアウト兼用として同じく左側にマウント、バランスを取るために、左側のユニット底部にトリムウェイトとなるようなカウンターラングカバーを付ける。
これによって、浮力が付くカウンターラングのある底部を打ち消すバランスとしてトリムを保持する形式を取っている。
加えて、リブリーザ・ユニットに酸素タンクをマウントした方式を次に….
こちらは1.5Lの小型で長い形の酸素タンクをリブリーザーユニットにアタッチメントでマウントした形態。タンクは専用のものでバルブを上に向いた特殊構成。一応酸素残圧はNERD2 によるリモート監視も含めている。逆の左側は希釈ガス兼ベイルアウト・タンクとしている。酸素タンクをスチールにしてかつカウンターラングがある底部に付けることで浮力を相殺することでバランスをうまく取っている。一応、2.5Lや3Lの酸素タンクの搭載も可能としている。
これによって、先のコンフィグよりリブリーザーユニットとタンクの接続を一つ簡略化させているという利点がある。
とここまではリブリーザユニットと酸素タンク、希釈ガスタンクが別体のサイドマウントリブリーザー
上記の例のように、酸素タンクをユニットにアタッチメントして使う方法や、完全別体で持つ方法といろんなコンフィグレーションが考えられる一方、各タンクとユニットをホース接続する必要があり、柔軟性もありつつ複雑性もあるという
環境に応じて作戦を考えることもある意味利点ではあるが、場合により使用が困難になることもあるので
それだけスキルがいるタイプのサイドマウントリブリーザーである。
酸素タンクをリブリーザユニットに内蔵搭載したT-REB
酸素タンクがリブリーザーユニット内に収められ、カウンターラングもリブリーザーユニット上部にある構成。
酸素添加は、SF2と同様のソレノイドバルブによる電子制御のeCCR
エレクトロニクスは、専用のものになる。
希釈ガス・タンクはユニットと外部接続することになるが、酸素タンクは内蔵型なのでConfig構成で迷うことはほとんどない。
酸素タンクが内蔵され縦型となり、Sidekick, SF2 などより長さが出るため、ダイバーの膝あたりまでくる大きさになり、
高低差は稼げるものの、長さがネックになるため、タイトに曲がりくねった狭いCaveの場合は引っかかる可能性も出てくる。
内蔵する酸素タンクも2L固定となる。その点は融通が効かないところもあるが、大半はこれで足りる。
そして、酸素、希釈の両タンクをユニットに搭載した完全独立型のLiberty Sidemount eCCR
こちらは、T-REBが酸素タンクを内蔵したのに対し、希釈ガス側も内蔵した形で一塊で別と接続する箇所がないのがConfigでも迷うこともなく、運用でも絡まることもない。一方、他のサイドマウントリブリーザーのほとんどが希釈ガス・タンクをベイルアウトタンクと兼用することで持ち込みタンク数を減らしているが、こちらは希釈ガスとベイルアウトは別にしている点で持ち込み量が多く嵩張る結果となる。(残圧計、バルブ管理も増える)
T-REBよりも大型化するので長さも長くなり、大柄なダイバーでなければ膝よりも先に行くぐらい大きくなるので、
曲がりくねったCaveでは曲がりきれないことも出てくるだろう。カウンターラングはダイバーの肺寄りに持ってきているので比較的呼吸はしやすい。
搭載される酸素・希釈ガスタンクはそれぞれ2L固定サイズで変えられない。
エレクトロニクスは特殊で2✖️2の酸素センサー構成で2個の酸素センサーで1つのソレノイドバルブによる酸素添加、という構成をもう一つ持っているという二重構成を取っている。モニターも専用になる。(HUD付き)
酸素・希釈ガスの手動追加レバーがDSV(マウスピース)にあるという便利な構成もとっており、このDSVをSF2などの他のメーカーのリブリーザー用としても展開している。ちなみに、AfghanもこのDSVをSF2に採用したConfigも完成させている。
バックマウント版も存在する。
Razor Sidemount グループも採用しているサイドマウントリブリーザー。
最後に、KISS Sidewinder
KISS Sprits でキャニスターを2分割した形を左右に振り分けてSidemount化したモデル。
他のサイドマウントリブリーザーと違ってキャニスターを左右分割にしたことで左右対称型をとれることでバランスに優れたConfigを実現できる。ベイルアウト兼希釈ガスタンクは左右対称とするため左右にマウント、酸素タンクはヒップにつける形態が好まれる。
純粋なサイドマウントと違い、キャニスターが背中脇にきたり、酸素タンクをヒップにつけることで若干嵩が出てしまうのが難点だが、バックマウントよりは嵩は抑えられるので狭いエリアへの侵入もバックマウントより入ることは可能。
オリフィスによる定量酸素添加方式のmCCR。エレクトロニクスはPO2監視のみ。(制御はない)ので深度制限はSidekickと同じ。
カウンターラングはダイバーの腰にまく形態で、それにつながっているキャニスターも基本途中で外すことは難しいので、
他のサイドマウンリブリーザーのように途中で取り外して、みたいな方法が難しいと思われる。
が、一方、左右対称に綺麗に整理できるコンフィグは快適であるので、極端に狭くギリギリで通過しなければならないようなExtremなCaveでなければこれで十分だろう。
ということで、さまざまなサイドマウントリブリーザーを紹介したが2022年現在ではこれらが主流のSidemount CCRたちでした。