Razor System (2.0以降) をお使いの場合、現状Official では、以下の規定があるそうだ。
1. Miflex ホースの禁止
2. ファーストステージは MK25 推奨
3. セカンドステージは G260推奨
1. の理由は、Miflex は内部プラスティック補強に対してコーティングがなされておらず、
打撃による破損が起きた場合、レギュレータを詰まらせる原因になるというもの。
表皮がゴムホースの場合はコーティングがされており、クッションによる衝撃吸収もあるのでこれが軽減される。
2. に関しては、BAT Wing のインフレーターホースが腰下からたすき掛けに出ているため、
これに合わせてレギュレータのスイベルの回転に関して位置の変わらない「軸方向」に出ているホースを取りつけられること、および、タンク接続部(DIN/Yoke)がスイベルの動きに干渉しない位置に取り付けられていることなどが理由。
参考までに、apeks DST の場合は、軸方向へのホース出しがデフォルトではできないが、
アップグレードキットを装着することによって対応は可能ではある。
スイベルのホース取り付け位置はタンク接続部に干渉して(中央寄りのため)、360度回転しなくなる弊害がある。ただし、そこまでスイベルを回転させる必要性があるかは疑問だとは思っているが….
3.の選択は、ホース接続が左右出し可能なこと、流量調節範囲が広いこと、などが理由。
apeks のセカンドステージの場合、流量調節範囲が狭いことがNGの理由だそうだ。
が、使えなくはない。
なぜその話が出てきたのかと言うと、安直に言えば、ファーストステージがSCUBAPROなわけで、セカンドも合わせた方がよい、(メーカーテストをパスしているわけだから)なのであるが、論理的理由はおそらく以下のものだとワタクシの推測である。
テクニカルダイバー御用達のapeks であるが、apeks は基本ダイアフラムレギュレータ
であり(他の多数派のレギュレータもダイアフラム)、深度が増すごとに実は中圧が
微妙に上がる。(メーカー、型版などの製品個体差もある。)
深度が増せば、ガス流入時粘度が増すのだが、これが軽減される方に回るわけで
ある意味都合が良い。ドライチャンバーであるとさらにこの特性が増すと言われている。
(なので、リブリーザーインボードレギュレーター(特に酸素)はデフォルトドライチャンバーなしを推奨するモデルもある。)
なわけで、実はapeks はさほどセカンドの流量調節は必要はなかったりする。
対してSCUBAPRO MK25 は、ピストン式のファーストステージで、強固なスプリングによる中圧維持は、深度かでもほぼ変わらない。そのため、深度変化によるガス粘度に対して
セカンドステージでの流量調節が必要になってくる、という設計思想から流量調節の幅が広く取ってあるものと思われる。
なので、Razor Offical では、セカンドステージはapeks ではだめだと言われるそうだ。
他、政治的理由もあろうが、基本はこのような理由から上記の条件の器材選定が望まれている。
が、実際の現場では、Miflexホース、 apeks アップグレードキットを装着、セカンドもapeks のRazor Sydemount Diverも見なくはない。
上記の弊害に当たるようなシビアな状況下でない限り、その組み合わせも含めて
大きな問題ではない気がする。
ただし、Technical Diver, Explore としては、
知識としてもっておいた方が良く、その辺を理解したうえでのオウンリスクで良いレベルの話であると、個人的には思います。
追記。
MFlex ホースは癖がつきやすく、まとめるときの反発も強い。急いでいるときにうまくたたまないとかさばる傾向が
あり、引っ掛かりや絡まりの原因になることも考えられなくはない。