現在、Sidemount でメジャーになっている、Razor Sidemount System 2….「2」と謳っているので実は「1」というか初期型が存在する。Razor Harness としてデビューしたての頃、わたくしこれを入手していた。
それがこれ。
フレームのない、ベルトをつないだだけのハーネス構成で極狭環境に入るための最小限構成。元々ウエイトもBCもないスタイルだが、ドライスーツなので、ウェイトポケットを背骨のラインにつけてある。
一応初期型モデルには、BC として、MSR のドロメタリーバッグがついているわけだが、これにはパワーインフレーターがついておらず、チューブが一本、オーラルで吸気、排気も兼ねるという代物。
BC を付けた最小構成
OC での最小構成ではかなり攻め込んだスタイル。熟練したスキルと体形を要求される。さすがにオーラルインフレーションしかないのでリブリーザーには不向き。
で、これにパワーインフレーターを付けたモデルを構成してみた。
パワーインフレーターもついて、CCR(リブリーザー)にも対応できる、最小構成 Simple Sidemount System.
と超軽量なSidemount BC の例を紹介した。
最後のBC は別途用意したのものだが、ウェイトを厳密に見積もることができるのであれば、これで十分、かつ、極狭環境に入るにはむしろ有利、余計なものを省いた洗練されたスタイル、という見方もできる。
裏を返せば、ウェイトを厳密に”見積もれない”方は、このスタイルでは不都合、使いづらい、ということにもなる。
一言、加えて言うならば、サイドマウント自体、トリム技術がおろそかであれば、「非常に使いづらいスタイル」なわけである。日本でまともなサイドマウントダイバーが育たないのは、この点を踏まえたダイバー、およびインストラクターがほとんどいないのではないか?という点だということを認識すべき。
かつて、Razor System を私が導入した7年前、Razorをさんざん否定されたわけなのだが、これも今思えば、ウエイト管理、トリム技術が脆弱な故の言い訳、というか、それがないためにうまくいかないことを「機材のせい」にしていたのでは?と思わずにはいられない。
真にいい機材かどうかは、それを使いこなせる領域まで行って初めてわかるものなのでは?
その点を考えてほしい。