Technical diving の分野は、アップデートが早い。
Cave ではサイドマウントがここ数年で一般化、
リブリーザーもバックマウントカウンターラングの有用性などがあがり、
サイドマウント・リブリーザーも出てきている…
活動範囲も、サイドマウントの採用により、今まで入れなかった極狭環境への侵入が可能になり、
そのためのスキルが別途追加されてきている。
かつてはリブリーザーでのCave Diving などは一部タブーとしてきたところもあるのだが、
現状は、CCR Cave コースも出てきており、Cave をRebreather で潜ることがそう珍しく
なくなってきている。
リブリーザーに関しては、ユニットの信頼性の向上、構造の堅牢化が多分に働いていると思う。
新たな構造の変更に伴うスキルの変更、
また、極狭環境に対応するためのスキル、など、
自然環境の活動が広範囲になればなるほど、そしてシビアな環境にチャレンジすればするほど、
対応が細分化、精密化してパターン、複雑さが増す。
過去のやり方がアップデートされていく、において、過去のやり方から脱却できない
人もいる、その範囲でとどまっていることをよしとするならば。
未知の道を進むのであれば、そこで起こるトラブルも未知のものがあるだろう。
想像力を働かして、新たな方策を生み出して対応していく、
定番化するものもあれば、カッティングエッジで局所対応のみで終わる小さなスキルも出てくるだろう。
そして、今サイドマウント リブリーザー…..
まだコンフィグは完成されてないように見受けられる。
私もいろいろなコンフィグを試していくつかの法則や答えが出てきた。
その間、いろいろと危ない目にあいつつも…
温かい目で見守ってくれる人もいる。
声を送ってくれる人もいる。
一方、やめろ、迷惑だとの声も聞こえてくる。
ダイビング業界の声はこんな感じが多い。
日本のダイビング業界は停滞している、新しい技術はほとんど海外から。
そして、進歩躍進を続けるクライミング業界….
取り組む姿勢として見習うところがあるのではないだろうか?
日本発のテクニカルダイビングメソッドがあってもいいのではないだろうか?
現状ない分野は、タブー….なのだろうか?それだけで否定されるのだろうか?
突っ込んだ先に、何か光はないのだろうか?
私もいくつかトライしている、でもそれが正しいかどうかは、有用かどうかは
やってみなければわからないところもある。そして、やってみて、
有用なところばかりではなく、危ない部分もあったりする。
仕分けして、その先をまた進む….
進化するというのはそういうことなのではなかろうか?
初めは皆初心者だ。
進化、発展を諦め、決められたことのみしか行わないのであれば、その限りではないが….
以下のコメントに、感慨を持たずにはいられなかった。
————– Facebook ボルダリング研究所 の記事より抜粋 —————
昨今のボルダリングを中心とするクライミング業界の発展には、目覚ましいものがある。
しかし、そうした発展には予期せぬ出来事が多いのも事実だ。
故に、全てが思い描いた形で進んでいくことの方が稀である。
そういったクライミング業界の発展と成長の陰には、大小様々な混乱が常に寄り添ってきた。
一つの物事に対して一定の概念しか持ちえなかった世界に、次第に新たな感覚を持った世界が広がりつつあるからである。
クライミングの中でもボルダリングは、その手軽さゆえに現在最も人気があるのではないだろうか。
そしてインドアの施設において、設備面からもルートを併設したジムよりも、ボルダリングのみにターゲットを絞ったジムが圧倒的に増えている。
この手軽さとボルダリングジムの増加により、いわゆるボルダラーは爆発的に増加していった。
結果的に見ればクライミングに興じる人が増え、さらなるボルダリングジムの増加へと繋がったのである。
当然、クライミング関連のウェアやシューズなどを購入する人も増え、ジムのみならず盛り上がりを見せる。
また、クライミングジムでは課題が主な商品になるので、外注セッターの需要も急激に高まった。
今では人気セッターは全国から声がかかり、そのセッターの名前を頼りにジムを選ぶ人も少なくないのではないだろうか。
課題をセットする技術を持つスタッフがいないジムであっても、定期的にセッターを呼ぶことで営業課題を設定することができる。
しかし、外注セッターに課題を設定してもらった場合、ジムを実際に運営していくスタッフにそれを維持していくスキルが不足していると、大きな問題が発生する場合がある。
例えばホールドの回転や破損といったアクシデントが起きた場合や、追加で課題を設定する場合に、既存の課題に対するしっかりとした理解がなければ、仮にプロのセッターが作ったとしても、それを維持していくことが難しいためだ。
仮に現場のスタッフが課題を変更したとして、セッターの名前は変更しないという事態は事件である。
しかしそんな流れとは反対に、セッターの数は依然として少ない。
さらに、ルートを併設したジムではなく、ボルダリングジムが大きく数を伸ばしたもう一つの理由を推察したい。
ルートのジムでは、その高さゆえにボルダリングジムに比べて大きく注意を払う必要がある。
そして、スタッフは当然利用者に対して安全な利用を確保するために、確かな技術と知識を必要とする。
それは決して一朝一夕で身に付くものではない。
では逆にボルダリングジムではそこまでの経験や知識、技術が必要ないかと言われれば、決してそんなことはない。
インドアのボルダリングでも死亡事故は起こり得るからだ。
しかし、ルートのジムではもし地面に落ちてしまえば確実に重大な事故に繋がるが、ボルダリングジムでは仮に最上部から落下したとしても安全に落ちられる高さ(最低限の着地姿勢を行う)と分厚いマットが完備されている場合が多いため、提供する側の力量によって起き得る事態の重大さに大きな差があるのだ。
ここで一つ思うことは、どちらのジムであっても提供する側の力量によって安全面に差が出てはいけないということである。
初めてクライミングに出会った人が、どんなクライミングライフを送っていくかは最初のジムにかかっていると言っても過言ではない。
それは言わば何も分からない人に対して一種の基準を与えることと同じであり、クライミングとは”何か”の第一歩なのである。
その基準を持って次のステージへと向かい、ジムが異なればまた違う基準を持つかもしれないが、それぞれの基準には一定の共通点を持たせて欲しいと思う。
その一つが”安全面に対する理解”である。
そして、ここまで共通して話してきたことは、ボルダリングに対する偏った理解もあり、皮肉にも大きな広がりを見せた”陰”の部分である。
しかし書きたいことはそこではないのだ。
そんな事態に対してどう向き合っていくかが、現在のクライミング界に求められていることだからだ。
受け皿をきっちりと作ることができなかった代償が今の姿なのである。
しっかりとした人材の育成や施設の管理を行えば、時間はかかったとしても、そんな負の側面も変えることは可能なはずだ。
根底にある思いはクライミングに関わる人であれば、皆同じはず
である。
クライミング界の発展と成長だ。
しかし、クライミングの最も大きな魅力であり本質とも言える冒険的要素は、大きく形を変えてきているのも事実だ。
今ではネットの普及により、非常に簡単に様々な情報が手に入る。
故にクライミングを楽しむ過程における、ある種の困難は決して困難ではなくなった。
それをハードルが下がったと言ってしまうのは簡単だが、真に意味のあることとは何かを考える機会は減ったのではないだろうか。
だが、そういった環境の変化によって、より多くの情報を発信することもでき、またそれを享受することで、より大きなことを成し遂げられるようになったことも紛れもない事実なのである。
最後に。
物事に対して様々な考え方を持って接することは非常に有益な手段である。
よく一つのことを続けると言うが、実際はそうではない。
一つのことを、継続し発展させ成長へと繋げていく過程において最も重要なことは、様々な視点を想像し、あらゆる方向から可能性を探ることにある。
そうすることで本質が浮かび上がり、新たな発見やアイデアが生まれるのだ。
大切なのは熱意をもって取り組むことである。
そこから生まれた未完成な状態に悪意はなく、純粋さゆえの危うさがあるだけである。
それを成長の種とするか、失敗や間違いと決めつけるかであり、常に私たちは問われているのだと思う。
今のこの状況に様々な思いを抱いている人は多いと思うが、クライミングに関わる人全てが共に悩んでいければ少しずつでも状況は好転していくのではないだろうか。
最後まで読んで頂きありがとうございました。