かつて、ワクラスプリングス調査チーム編成のために作られた
GUE(Global Underwater Explore)に機材提供するために作られた
メーカー
Halcyon が
時代の流れか、サイドマウントBCを出していたみたいです。
実物を使っていませんが、今までいろんなサイドマウントシステムを使用してきた私目の目から見たところの現時点の総評は、
前時代的で微妙
です。
写真から推測するにタンクはスチールタンクの使用を前提としているようです。
ヒップレールは跳ね上がり、ここにフックしてタンクが下に下がることを
前提にデザインされています。
アルミを使用する場合は、タンクにウエイトを付けることで対処は出来そうですが、タンクにウエイトをつけると、ウエイトバランスがダイバーから
タンクにウエイトが移ってしまいます。
サイドマウントの場合、タンクはリグキット接続のため、ダイバーにフィックスされていません。
従って、タンクはタンクで、ダイバーはダイバーでウェイトバランスを取らないと全体的にトータルバランスがならない。
タンクにウエイトをつけるということで、全体のウエイトが上がり、
そしてタンクのウエイトが全体の重心位置からずれると、ダイバーの姿勢に
影響が出る、それを相殺するためにダイバーのどの位置にウエイトを付けるか?
など繰り返しているうちに、全体のウエイトが増す。
そのため、結果的に大容量のBCが必要になり、そのBCも重心から外れた
ところで浮力をつけるならば、さらにそのトリムを取るためのウエイトを付ける?
という悪循環になる。
何が言いたいかというと、ウエイトはなるべく全体の重心中央部に設置、
ウェイトもそこから外れないようにするのが理想的であり、
あらゆる姿勢変化に対応できる。
今回のBCはそういったことがあまり考えられていないように思えるデザイン
であることが気になる。
GUEは、基本トリム姿勢を崩さずにダイビングを終了することを旨としている
ため、あらゆる姿勢変化に対応することは考えていないのだろうか?
とも思えてしまう内容である。
ダイバーに対して、フィックスされていない部位に多くのウエイトがあるのは
物理モーメントにおいては不利に働くように思えるので、
そういった意味ではNGな気がします。
ヒップレールの是非についても然り、ギリギリやり過ごせる極狭環境通過の際、
ヒップレールは引っ掛かりの要素ともなりうる。
ドーナツ型のBCは浮力が外側に分散しており、極狭空間通過時のBC圧迫時に
浮力のアンバランスを助長する可能性もある。
尚、このBCではないが、Razorと似て非なる某サイドマウントBCは、
スリットを設けて体からBCを離れない構造としていたが、それが災いして
圧迫時にBC内ガス移動が起こりづらかったが故か?破裂事故を起こしたという報告も頂いた。
現在のサイドマウントBCのトレンドは重心中心部にBC浮力体、及びウエイトを
集中させることに注視された、
Razor System
や
などの方が洗練されているような気がします。
なお、圧迫時にガスが排出される仕組みを取るRazor BAT Wing の利点を
理解している人は数少ないと思われます。