最近、近しい人からサイドマウントに関しての質問をいくつかもらったので
取り急ぎ….まずBCについて
現在出回っているサイドマウントBCですが、いくつかスタイルがあります。
大きくは2つに分類されますが、なんと名付ければいいのかわかりかねますが
以下のSteve Martin氏のWebでは、以下のように語っています。
http://www.sidemounting.com/Equipment/tabid/72/Default.aspx
MultiUse(多目的)とSidemount Only(専用)
この区分けに関しては、Steve Martin氏の説明に委ねるとして、
上記MultiUse タイプには、
Hollis, DiveRiteのノマド, アルマジロ, そして最近出たHalcyon Sidemount があります。
MultiUse と言っていいかわかりませんが、特徴として以下の特徴があります。
1. BCの浮力容量は大きい。
2. シリンダー(タンク)の後方フックはヒップレール
3. シングルタンクのジャケットBCに近い形状。
4. ドーナツ型、もしくは馬蹄型のBCの浮力は上部にも回せる、
一方、エアーの移動(浮力変化)が起きる。
2のヒップレールが結構肝です。
ヒップレールを使うため、長いタンクの使用において、固定化が図れます。
一方、基本タンクは水中重量において常にマイナス浮力である必要があり、
スチール、もしくはアルミタンクの場合はウエイトを付与した形が必要となります。
(アルミでウエイトがない場合は、タンクが跳ね上がってしまいます。)
結果、1である必要があるように思えます。
次に、サイドマウントで極狭環境通過の際、サイドタンクの後方フックを切って、
前に構えるスタイルをとるときがあります。
この時、スチールタンク、もしくはタンクウェイトを付けたアルミの場合、
重量があるものがダイバーの前に来るため、そのままだとトリムバランスが崩れ、
前方から落ちてしまいます。
それを最小限に防ぐためにも、BCの浮力を頭部側に持って来れる必要があります。
なので、4の特徴がここで生きるのですが….タンク二本を前に持ってくると、
カバーしきれるかは疑問です。
あと、トリッキーではありますが、裏っ返って泳ぐことが基本できません。
なぜならヒップレールだからです。できなかないですが、タンクが落ちてしまいます。
代わって、Sidemount Only Systemと呼ばれるほうです。
Steve Bogarts おなじみの “Razor System(Bat Wing)”
XDEEP STELTH
DTD Diamond
当たりのものです。
特徴としては、
1. ハーネスは、ベルトをベースとしたRazor Harnessスタイル。
2. ヒップレールは使わず、腰ハーネスベルト上に設置したナローDリングを左右2箇所ずつ設置
、もしくは可動式のラバーリング(XDEEPの場合)
3. BCの浮力容量は最少構成
MultiUse に比べてすっきりして機材を最小限にまとめることで、
極狭環境へ対応することを最重要課題としている。
ヒップレールを使わず、アルミタンクの使用をベースに考え、
使用前と使用後の浮力変化を考えて、体からなるべく離れない”ナローDリング”を使用、
かつ、タンク満タン時のマイナス浮力大のときは、腰の後ろ側(上)に、
ガスが減ってきてプラス浮力に移行してきたら、腰の前側(下)にそれぞれDリングを設置、
タンク後方のフックを切り替えることでタンクの水平設置を実現する。
XDEEP STELTHの場合は、可動式Dリングとも呼べるラバーリングで自由に位置を変更可能と
しているようだ。
このシステムの場合、マイナス浮力が最小限に抑えられたアルミタンクを使用するメリット
を最大限に生かし、極狭空間通過時にタンクを前方に持ってきても
重心の移動が最小限に食い止められるため、BCの浮力を変化させてバランスを取り直すという
行為が最小限で済まされる、よって余分な大容量の浮力は不要となる。
基本、浮力は重心に集中させ、身体上部に持ってくる必要はない、このためシンプルな構成が取れる。
また、裏っ返っ多場合のポジションもタンク後方のフックを逆転させることで
腹ばいのスタイルと同様にタンクを水平に保つことが可能。
Caveの天井をうらっ返って調査しながら泳ぐこともきれいにできるわけだ。
スチールの大容量タンクを持ち込むことはできないというデメリットはあるが、
アルミタンクを数本に分けて持ち込むマルチステージで対応すれば、
それは解消できるように思える。
私は今まで、アルマジロ、ノマドなどのMultiUse,
sidemount Only であるRazor, Razor System2
そして、その中間のシングルタンク用のブラダー + Razor Harness
を使用してきた。
私の見解としては、Steve Martin 氏がMultiUse/Sidemount Only と呼んでいるが、
重量タンクを使用するスタイル
と
軽量タンクを使用するスタイル
と分けられるように思える。
それぞれ特徴はあるものの、一番戦闘力があるのは、
Sidemount Only Systemであるのではないか?
というのが現在の見解です。