Wreck Diving

Wreck Penetration, EANx, Trimix

Cave Divingと同様にペネトレーション(内部進入)を行うダイビングであり、多くの沈没船が水深40m を超えた領域に存在するため、Deep系およびCave系の両方の要素 + α(Wreck特有の問題点および技術)が必要とされるDivingです。
PADIのレクリエーショナルダイビングにおいてもWreck SP がある。しかし、入れる範囲が水面から40mまで そして、減圧不要限界内の範囲でのみの簡易ペネトレーションという規定になっている。 テクニカルダイビングでは、この範囲を超え、減圧ダイビングを行い、侵入範囲にも制限がない、自己責任の世界なのである。 ルートを見失わないためのラインワーク、オーバーヘッド環境でのエアシェアなどの技術も必要になる。 沈船ですので海水による老朽化から崩れてくることも想定され、また横倒し、逆さになっているものもあり、迷路のように入り組んだ内部に鉄骨などの突起物なども有り、器材の破損、引っかかりなどのトラブルも多く存在する、高度なDiving技術、知識、器材選定が必要なことは想像に難しくない。

指導団体

Technical Diving 指導団体で明確に Wreck を謳っている団体は
IANTD
TDI
になる。
また、テクニカル指導団体においては、Penetrationの性質上、 Cave Diving の要素が取り入れられた歴史からも現在のWreck Diving はCave Diving の技術的要素と重なる部分が多く、 Cave 指導団体の認定を得てWreck Divingに臨むものも少なくは無い。
が、Wreckには、Cave とは自然物と人工物、老朽化、金属突起物など、危険要素の違いがあるのでその辺りを吟味する必要はある。

LST

USS New York

Training

比較的、Caveに比べてショートレンジでルートが上下左右三次元に変 老朽化が進んだ沈船などは、崩れる可能性も考えた上でより慎重に行動する必要があり、 細かいさびなどはレギュレータの排気によるパーコレーション(破片が落ちて視界を悪くする) も起こるため行きより帰りは視界が悪くなる。


金属突起物、瓦礫などでは、器材のヒットによる故障、破損などはより深刻なものとなりえる。
ラインの設置に関してもより立体的となるため、壁に沿わせ、かつ、 帰りにも回収が容易で視界0となった緊急時も辿り易いライン設置が求められる。

ラインを引きながら侵入

側面から侵入

小さい穴からも入ることがある

また、本格的なWreck Diving は、水深も深いポイントが多い(浅いところは航路の邪魔となって撤去されていることが多い)
為、減圧ステージなどの設置対応も基本考えておく必要がある。

船から出た後、減圧ステーションに向かう

減圧ステーション

Wreck Divingに臨むにあたって

沈没船、飛行機など、海に残骸として残された人工物を目標としたWreck Diving、 意図的に沈められたものもあれば、戦闘や海難により沈没したものもあり、そこには 無念にも命を落としたものたちの存在もある。むやみやたらに楽しみだけを優先することなく そういった背景、歴史などにも考えを及ばせ、敬意の心持などを持ってその場に及んでほしいと願います。