Sidemount(サイドマウント)

極狭環境通過のために生み出された構成

Cave Diving の世界の歴史は長い。実はテクニカルダイビングが確立されるより先にケーブダイビングは行われていた。 テクニカルダイビングの生みの親であるケーブ・ダイビングは更なる進化を遂げていた。

サイドマウント

Cave(洞穴)ではさらに狭い環境、小さい穴を通過するために背中に背負うバックマウントスタイルでは 通過できないと、ダブルのタンクを左右両脇脇の下に付けて潜るスタイルが始まった。 体の横のトリムラインに綺麗に付くように設置、時にこのタンクをリムーバブル状態にして 通過することもある。変幻自在なこのシステムは今後の発展にも目が離せない。

コンフィギュレーション

左右のタンクは対称とし、バルブ側をバンジーで止め、タンクの底の方が上がりすぎたり下がりすぎたり しないようにするのが理想的。タンクとしてアルミタンクの場合は底が上がり気味になり、 スチールの場合は下がる傾向がある事を考慮してコンフィグを決める必要がある。 また、ダイバーとタンクがそれぞれでバランスを取らなければならないため、 背中一面で重力を請け負うバックマウントのそれとは、根本的にトータルバランスについての考え方が異なる。
現在、大きく2タイプのサイドマウントBCが発表されている。 Razor Harness, XDEEPに代表される、ベルトのみで構成されたタイトハーネスに、腰部を中心に配置されたブラダーで構成する専用タイプ
とNormad, Armadillo, Hollis, Halcyonに代表されるジャケット型で腰部横が膨らむ形で比較的浮力の大きく、場合によってはバックマウントにも移行できるタイプ。
極限に狭いCaveを攻めるのであれは前者、セッティングをいー時にー済ませたいのであれば後者を選ぶのがクレバーだろう。

DiveRite Nomad

製品版として正式に世に出たSidemout BC

Armadillo Sidemount BC

Afghan が最初に導入した本格Sidemount BC.

Razor Sidemount System 2

Razor Harness から専用BCが組み合わされたSidemount総合システム

Toddy-Style Sidemount

Razor Harness

初期型 Razor Harness のみ。

Razor Sidemount Origin

Razor Harness に、MSR をBC代わりに。

Razor Sidemount Lite

Razor Harness に、最小のパワーインフレーター付きのBCを付属

Razor Sidemount Packing

Razor Sidemount SystemをPackingしたところ。

ホースコンフィギュレーションとしては、ロングホースショートホーススタイルが存在する。 Afghanとしては左右の両方のガスシェアを行えるようにSymmetry Style(左右対称)を推奨するが 一般的にはダブルタンクと同期をとって片側ロングホース, 片側ショートホースネックレスの Asymmetry Style(非対称)も存在する。

Long hose Style

タンクを外さずガスシェアを行う場合に使用

Short hose Style

ソロダイブを視野に入れて最小限のホース長での場合に適用


極狭環境での優位点

極狭環境へのペネトレーションを行う際、サイドマウントシステムは有効である。
言わずもかな、タンクをバックマウントしていないことからダイバーの体の厚みの幅が在ればほぼ進入可能である。
バックマウントでは入れないエリアも進入可能となる。

サイドにタンクを設置しているが、場合によりこれを外し前などに持ってくることにより、横幅も最小に持ってくることができる。
Nomount Style


また、タンクバルブは、わきの下に位置することにより実質的にこの状態で 進行中によるバルブのヒットによる故障の可能性はほぼ無くなる.
バックマウント・ダブルタンクにあるアイソレータ・バルブは無く インディペンデント(独立型) のタンク構成となるため、ガスマネージメントには 独特の考えが必要になるが, アイソレーターのヒットによるトラブルは ダブルのタンク両方からのガスリークが深刻な状況になることに対し インディペンデントの場合、両方が同時に故障する確率は低くなり 狭い中をガリガリ進むようなExploration Diving に望む際にはこのほうが有利といえよう。

Sidemount Style にさらにタンクを追加して、Dive Time を延長したり、減圧ガスを追加してTecnical Sidemount としたり する方法も出てきている。(Multi Stage)

リブリーザーへの導入

排気ガスを循環させ、消費した酸素を補充する形で呼吸ガスを獲得するリブリーザーダイビングにおいては、 現在バックマウントが主流ではある。が、一方2015年現在、いくつかのサイドマウント・リブリーザーが導入され始めている。 SF1, GEM SideKickなど、セミクローズド・リブリーザーのサイドマウント化はユニットとガス供給タンクの二本を左右それぞれ に構えることで最小構成を実現する。 SF2, HHなどのCCRの場合、タンクはデュレントおよび酸素が必要で、ユニットと併せてどういう構成を取るかの バリエーションは、いくつか考案されているがOCのサイドマウントと違い、左右対称でない点によるバランス、カウンターラングによる浮力相殺処置など課題がいくつかあり、2015年現在、未だ決定打はない状況。今後の発展に期待される。 なお、Afghan ワタクシにおいては、SF2 Sidemount CCRを導入し、Razor SystemとのConfigurationを取ってオリジナルの対応を施している。

SF2 Sidemount CCR

動向

テクニカルダイビングのみならず、Open Water でもPADIがSPに導入、 各種サイドマウント専用のBCが発表され、 Cave Diverのほとんどはサイドマウントに移行しているという話もある。 そして、リブリーザーにも導入が始まった。洗練されたサイドマウントは美しい。 一方、バランスの取れないバラバラなサイドマウントが日本では多くみられるのは残念なところ。(2015.11.17)きちんとした知識を持った所から学ぶことをお勧めする。